2022年、感染症対策行動、医療のエコ行動、森林保全行動などソーシャルマーケティングを基盤とした様々な分野における行動変容の研究を行いました。 多様な行動を同時に研究していると、共通性を見出すことができ、向社会行動のメカニズムモデルが少しずつブラッシュアップされ、小さな感動を何度も味わった日々でした。
そして、大きな感動に包まれた日は、日経・FT 感染症会議当日。 感染対策にソーシャルマーケティングが重要であることが認識され、「東京感染症ステートメント2022」に以下が含まれました!
●司令塔(内閣感染症危機管理統括庁):最も大切なのは、専門家ネットワークから提案された感染対策の採否を含め、「A. 感染対策の最終決定・実行・フォローアップ」を行うこと。加えて、決定した感染対策について、感染症やリスコミ、ソーシャルマーケティングといった専門家のデータ分析にもとづく助言を受け、責任を持って国民が納得できる「B. コミュニケーション」を行い、市民参画をうながすこと。(P.5)
●短期:行動科学およびソーシャルマーケティングの活用に向けた実践的ガイドラインを策定する。(P.9)
●中長期:国や自治体の対策の実効性を高めるべく、行動科学やソーシャルマーケティングの専門家を育成する。そのための財源を確保する。(P.9)
ソーシャルマーケティングの研究に本格的に取り組んで9年。 学際的な分野、かつ社会実装研究のため、苦労が絶えず、理解への障壁も高かったのですが、重要性が認められて、あふれ出る感謝の気持ちを抑えきる事ができませんでした ソーシャルマーケティング研究を支えてくださってきた方々に深く感謝申し上げます
来年は、ソーシャルマーケティングをより多くの方々に知って行動を起こしていただけるよう、自治体、NPO、企業の方々への教育・研修にも力を入れていきたいと思います。 ソーシャルマーケティングの普及に、一意専心で臨みますので、どうぞよろしくお願い申し上げます
皆様も、幸せに満ちた1年をお迎えになりますように、心からお祈り申し上げます。
************************ 写真は、市民の声を調査した結果についての記事です。
新型コロナ感染症も発生から3年近くが経過しました。この感染症に対する市民の捉え方も少しずつ変化をしてきました。 自発的な感染対策行動を持続するためには、何が必要なのか、考える中で、『納得感』がキーワードとして導出されました。
家に帰ったら手洗いとうがいをする・・・感染対策として大切であると頭ではわかっていますが、つい忘れてしまう。 それは、習慣化できていない新しい行動を起こすには、煩わしさや、ちょっとした心的負担があるから。 ソーシャルマーケティングでは、それらを超える価値を創出して提供することによって、自らの「行動したい!」を促します。 その心の状態を端的に表したのが『納得感』です。
また、この納得感を高めるための、メッセージを発信する人、メッセージ、施策などは、分析結果から、促したい行動によってテーラーメイドする必要性も明らかになりました。
これについても、関心がある方は、是非、「東京感染症ステートメント2022」をご参照ください! (p.24-25に分析結果の概要が掲載されています) ************************
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